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長戸大幸

長戸大幸プロデューサーと関係のある著名人を紹介しています。

GSオックスでギター 岡田志郎さんは20坪の居酒屋オーナー

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 1960年代後半のグループサウンズ全盛期、ザ・スパイダースザ・タイガースに続く人気を誇ったのがオックスだ。演奏中、熱狂のあまりボーカルが失神、つられて観客も次々と失神することから“失神バンド”ともいわれた。今回登場の岡田志郎さん(67)は同グループのギタリスト。さて、今どうしているのか?

■西麻布で居酒屋経営

「いらっしゃいませ。奥へどうぞ」

 東京・西麻布交差点近くの居酒屋「やすきよ」へ行くと、黒縁メガネにキャップ帽の岡田さんが迎えてくれた。案内されたのは半個室の6人掛けテーブル。

「2008年12月に『西麻布だけど財布に優しい気軽に立ち寄れる店』ってコンセプトでオープンしたんだ。モットーは安く清く。だから『やすきよ』なんだよ」

 岡田さん、20坪の居酒屋のオーナーになっていた。

「4年前に定年退職するまで、音楽制作のビーイング系の会社で役員をしててね。96年から12年まで大阪で勤務してた時に行きつけだったのが、JR大阪環状線・玉造駅そばの居酒屋『やすきよ』。ここは地元の飲んべえに知られた名店で、大将と懇意にしてたもんだから、店名をお借りすることにしたんだ」

 料理のメーンは大阪風家庭料理。名物の串カツが1本200円、カウンターに並ぶ大皿料理は500円前後で、取材日は「大根と豆腐の煮物」「ジャガイモとアスパラ、鶏肉ソテー」など5品が並んでいた。

「お薦めは魚かなあ。エド山口モト冬樹の兄でミュージシャン)とは釣り友達でね。よく三浦半島伊豆半島に行き、その釣果をお出しする。だから鮮度は抜群だよ」

 この日も、前日に葉山沖で釣ったアマダイの煮付けがあった。

「それとね、ボクは音楽やイベントのプロデュース・制作をする株式会社モッズの代表で、寺尾聰がメーンボーカルを務めるバンドのギタリストもしてる。だからビーイング時代の仲間も含め、音楽関係の常連さんが多いんだよ」

■B’zやZARDのコンサートもバックアップ

 さて、大阪・枚方市生まれの岡田さんは、67年11月に大阪で結成されたGS「オックス」に参加し、68年3月に上京。「ちょうどGSブームの真っただ中だったから、トントン拍子」(岡田さん)でコトが運び、その年の5月に「ガール・フレンド」でレコードデビュー。後発グループながら、アイドルバンドとして爆発的な人気を誇った。

 一方、「オックス」といえば、やはり激しいパフォーマンス。ボーカルの野口ヒデトや赤松愛がステージを転げ回り、最後は失神。それにつられて、観客まで失神する騒ぎが話題となった。

「あれはトランス状態になってステージに倒れ込んだのが発端。観客の失神は、今で言う“過呼吸症候群”だったんだろうね」

 ところが、教育上よくないとしてPTAが騒ぎだし、当時の文部省まで巻き込む大問題に発展した。次第にコンサート会場が借りられなくなり、これがGSブーム衰退の一因となった。

 オックスは71年5月、池袋ACBでのファイナル公演で解散した。

「それから半年ほどアメリカでヒッピー生活をして、帰国後は77年まで音楽活動。そして西麻布で芸能事務所を経営してた時に、長戸大幸(音楽プロデューサー)と知り合い、ビーイングの立ち上げに参加したんだ」

 岡田さんは同社で、プロデューサーやサウンドアドバイザーとして、所属歌手の楽曲制作に携わったほか、B’zやZARD倉木麻衣らのコンサートをバックアップ。裏方に徹した。

「並行して、ライブハウス『ケントス』グループの企画・運営・マネジメントを任されたり、大阪時代はテレビの音楽情報番組の制作も。だから自宅に帰るどころじゃなかったよ。アハハハ」

 毎年、6月9日の岡田さんの誕生日には、近くのライブハウスで“西麻布 大人の音楽祭”と題するライブパーティーを開催している。

「5回目の今年は『ゴダイゴ』のミッキー吉野、『頭脳警察』のパンタ、『ヴィレッジ・シンガーズ』の林ゆたから、今も活躍するミュージシャンが多数ゲスト出演してくれた。来年? もちろん、やろうと思ってる。音楽に定年はないからね」